翻訳原稿をつくるための基本的なマナーをまとめてみました。
また、法律・生物・特許など特定の専門分野を翻訳する際の常識で、一般的な翻訳でも時々必要となる知識も付け加えてあります。
雑誌連載時に、毎回付録として付けていたコラムをまとめたものです。
ALC特許文書講座
特許翻訳は技術翻訳の一種
かっては特許翻訳は特殊な知識を要する部門と思われ、特許事務所などで知識を得る機会のあった人にしかできないものと見られがちでしたが、先端技術の発展に伴う特許文献の目覚ましい増大と、折からのアウトソーシングの進展により、近年は一般の翻訳市場でも大きな存在として注目を集めるようになってきました。
確かに特許翻訳ではいくつもの約束事を知らなければなりませんが、一番大事なのは技術内容を正確に理解することです。特許文献は科学技術論文とよく似ています。ただし、権利内容を厳密に規定する必要があることから、複雑な文章が多くなりますので、内容をよく検討せずに形だけ見て訳していくと、誤訳が多くなります。翻訳一般にそうですが、話の内容を正確にフォローできる能力がより必要とされます。
翻訳の泉−翻訳のマナーと規則
機密保持
仕事の上で知り得た非公開の情報が第三者に漏れないように細心の注意を払わなければなりません。特に未公開の特許や契約書など機密性の高いものは、資料送受の方法や作業完了後の処分も含めて取扱いに厳重な注意が要求されます。翻訳者のせいで秘密が漏れ依頼元に損害を与えた場合、損害補償を求められる可能性があります。また先日のスパイ事件のように、刑事事件の対象となることもあります。
納期
納期が最優先です。事故の時や予定より遅れそうな場合は早めに連絡すべきです。締め切り間際になって、間に合いませんといってくる翻訳者が時々いますが、そのようなことが一度でもあると信用がなくなります。早めに連絡すれば、代わりを捜すなどの手当てができます。翻訳の仕事は、原文の出来や得意分野か否かなどによって、予想より速く進むことも、逆に倍の時間がかかることもあるものです。


